8月15日 兄とコロッケ
兄とコロッケを作った。
珍しいこともあるものだ。
昨日の夜唐突に、「明日コロッケ作りたいから手伝って」と言われ、言われるがまま一緒に作った。
普段兄は、全くと言っていいほど料理をしない。
作ってもカップ麺、レンチンでできるパスタくらいのものだ。
そんな兄が「コロッケを作りたい」…。
一体どんな心境の変化があったんだ?
母や私が料理をしているところを見てか、単にコロッケを作ってみたかっただけなのか。
真意はわからなかったが、なんだかうれしかった。
作業中、弟を見るような目線で兄を見た。
木べらでじゃがいもをこまごま潰す兄、ひき肉と玉ねぎをいつまで炒めればいいのかわからない兄、いびつな形にコロッケを成型する兄、油にコロッケを入れるのがへたくそな兄、どれもかなりぎこちなくて新鮮で、何より楽しかった。
そういえば、久々に兄の隣に立った。
それがキッチンだとは感慨深い。
1時間半かけて出来上がったコロッケは、まばらな形をしていた。
私が成形したものと兄が成形したものが見て分かった。
私はいびつな方のコロッケを食べた。
しっかり味付けをしたおかげで、ソースがなくても優しい味がしておいしかった。
ちゃんと衣もざくざくしていた。「家のコロッケ」という感じがする。
兄の要望でひき肉をレシピの2倍量入れたおかげか、弟の感想は「肉がおいしい」だった。おいしかったなら何よりである。
揚げたてのコロッケを頬張ってはふはふしながら、兄も「うま」と言っていた。
私が食べてあんなに美味しかったんだから、自分の手で丸めて揚げたコロッケはきっと格別だったことだろう。
この調子で、兄も料理に精を出してくれるといい。
今日は、記録的に珍しい1日だった。充実した睡眠が得られそうである。